自作スペアナの解説

 

 

全体の構成図です。

 

全体のブロック図

 

 

各部の説明ですが、最初に制御UNITから説明します。

 

制御UNIT全体の様子です。

 

回路図

 

プログラム

 

DDS制御(Amega48)

 

液晶制御(Amega48)

 

データ表示・10Key制御(AT90S8535)

 

ATmega48は、27MHzのクロックで動かしています。

27MHzに深い意味は無く、手持ちで基本波の最高周波数

が27MHzの水晶です。

 

左のシールドBOXの中に、秋月のDDSが入っています。

 

 

 

動作説明

 

@DDS制御用のATmega48が、DDSに信号出力命令を出します。

A液晶制御用のATmega48に、シグナルを送ります。

B液晶制御用のATmega48はLogAmpからの信号をA/D変換して信号強度にあった線を描きます。

C液晶制御用のATmega48は、DDS制御用のATmega48に描画終了のシグナルを送ります。

D240ライン分繰り返します。

EDDS制御用のATmega48は、AT90S8535にシグナルを送り制御データを送信させます。

F受信したデータに変更(中心周波数、スパン周波数、スイープ時間)があればデータを変更して又@から繰り返します。

 

 

 

上が、DDS制御用のAmega48 その下がLCD制御用の

Amega48です。

 

 

 

 

10Key、16×4行のLCD制御のAT90S8535

です。

 

 

 

 

Filter・LogAmp UNIT

このUNITはケースには入れていません。

そのまま、電源部の上に2段重ねで実装しています。

 

上から

MHz ガウシャンフィルタ

MHz LCフィルタ

200KHz セラミックフィルタ×3段+AMP

10KHz クリスタルフィルタ×3段+AMP

KHz 5素子クリスタル ラダーフィルタ

 

切り替えには、リレーを使っています。

 

BPFの特性

 

回路図

 

フィルタの定数

 

 

 

上のシールドBOXの中に、AD8310のLogAmp

入っています。

 

下は、PINダイオードを使ったレベル調整部+10db

NFBAmpです。

 

 

 

LogAMPには、AD8310を使っています。

 

LogAMPといえば、AD8307が有名です。

AD8307は、ダイナミックレンジが−75+17dbm

までの92dbですが低い方を、このレベルにするにはそうとう大変です。(以前の実験)

又。AD603と組み合わせて−90dbmまで拡大できますが入手困難ですし電源が±2種類必要になります。

 

そこで、AD8310を入手して使っています。

前段に、SC1815×2を使ったNFBAmpを付けています。

これは、全体のゲイン調整のためです。

 

 

RF・1stMIX UNIT

 

CDROMのケースに入れています。

 

このCDROMは、最近リサイクルSHOP100円で

入手できますしサイズが同じなので実装するときに

とても便利です。

 

ただし、使う場合はアースの取り方に注意が必要です。

 

上にATTを取り付けています。

 

回路図

 

入力のLPFは、500MHzで500MHzのLPFと1000MHzのLPFを切り替えています。

これは、500MHzより上の信号を測定するときに525MHz下にスプリアスがでるためその対策として入れています。

スプリアス対策の顛末

 

 

 

 

 


 

RF・1stMIX UNITのブロック図です。

 

まずAT-220で10db減衰されます。

ATTつまみの0db表示の時は実は10db減衰されています。−10dbの時が減衰は0です。

その後、LPFを通りMIXに入ります。

MIXで1stLoMIXされて1.05GHzBPFに入りその後uPC1678で増幅されます。

 

このスペアナを作るとき、注意したのはミキサーの前で信号を十分に減衰させてミキサーのリニア域で使いその後必要なレベルまで増幅するということです。

 

 

 

 

内部の様子です。

信号は左上から入ってUの字を横にした感じで左下から

出力されます。

 

BPFには、ヤフオクで入手したものを使っていますが

マキ電気の3セクションのキャビティでも使えます。

 

左上 LPF

右上 MIXMCA1−42MH+

右下 uPC1678

左下 1.05GHz BPF

SMAコネクタ周りの処理の仕方です。

これでやっとSWRの暴れがなくなりました。

 

1stLO

 

内部の様子です。

右の広いところが、ADF4118を使ったPLL制御部です。

左下が、VCOPOS-2120W)+uPC2708

左上が、MNA-6+

 

 

 

1stLOのブロック図です。

 

PLLの制御には、ADF4118を使っています。

DDSの出力は、1/10されて420KHz〜820KHzになります。

VCOPOS-2120W)の出力は1/2500されて420KHz〜820KHzになります。

 

DDSが1Hz動くと、VCOは250Hz動きます。

1スイープは240ポイントにしていますので、250Hz×240=60KHzとなり最小スパンは6KH/divになります。

 

回路図

 

ADF4118制御プログラム

 

 

 

DDS出力 4.2MH

VCO OUT 1050MH

DDS出力 5.2MHz

VCO OUT 1550MH

DDS出力 7.2MH

VCO OUT 1800MH

SSB位相雑音 −93dbc/Hz

(10KHz オフセット)

SSB位相雑音 −94.6dbc/Hz

(10KHz オフセット)

SSB位相雑音 −90.6dbc/Hz

(10KHz オフセット)

レファレンスリーク

レファレンスリーク

レファレンスリーク

TR4172の最高測定周波数が、1800MHzまでなので2050MHzは測定出来ない。

 

レファレンスのスプリアスがひどいです。

結局このスプリアスが、スペアナ画像上でもスプリアスとして現れます。

このスプリアスを減らすように、ループフィルタを調整すると早いスイープタイムでは追随しなくなります。

現状のループフィルタは、最適のものではないと思われますが、これ以上改善できませんでした。

 

2ndMIX・2ndIF 3rdMIX・3rdIF 2ndLO・3rdLO

 

内部の様子です。

右上から、2ndMIX(MC13143)

その左が、143.2MHBPF+Amp(2SC3355

その下に、143.2MHBPF

その右横が、3rdMIX(2SK125×4)+LPF

一番下が、3rdIF(2SK125×2)+LPF

 

回路図@

回路図A

 

最初は、

2ndMIX+2ndIF+2ndLO

3rdMIX+3rdIF+3rdLO

というようにケースに入れていましたが、何となくここらあたりが500MHz下に出るスプリアスの発生源のような気がしてLOとMIX+IFというように分けてみましたがスプリアスは解消されませんでした。

(これは、まったくの見当違いでした)

 

回路図は元のくくりの回路図です。

 

 

 

こちらには、2ndLO,3rdLOをまとめています。

左のシールドで囲ってあるのが、2ndLOのPLL制御用のADF4117です。

 

ADF4117プログラム

 

プログラムの題名がADF4118になっていますがどちらを使っても同じプログラムでOKです。

ADF4117の最高周波数は1200MHzでぎりぎりですが問題なく使えます。

 

 

2ndLO 1193.2Mhz

3rdLO 132.5MHz

SSB位相雑音 −96dbc/Hz

(10KHz オフセット)

SSB位相雑音 −105dbc/Hz

(10KHz オフセット)

 

 

操作パネル面です。

 

最初は、ロータリーエンコーダも使って設定値を変化させる予定でしたが、ロータリーエンコーダの変化に画面表示が追随出来ないので10キーの入力だけにしています。

 

しかし操作しずらいので、キーが2つ空いているのでUP・DOWNとして可変出来るようにしようと思っています。

(改造済み)

 

下のつまみは、右側の入力コネクタの隣がATT

真中がRBW

左側がVBW

です。

 

10キーで設定出来るのは、

中心周波数

スパン

スイープ時間

の3つです。

上の液晶画面の表示は、左上から中心周波数、スパン、SUTART周波数、STOP周波数

右側が、スイープ時間です。

 

このスペアナの表示と、R3131Aでの表示を比較してみました。

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

100MHz 0dbm

 

 

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

200MHz 0dbm

 

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

300MHz 0dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

400MHz 0dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

500MHz 0dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

600MHz 0dbm

 

500MHzのLPFの特性があまいため525MHz下のスプリアスが少し出ています。

 

スプリアス対策

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

700MHz 0dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

800MHz 0dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

900MHz 0dbm

 

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

300MHz +10dbm

 

どうにか、+10dbmの入力まで観測可能になりました。

 

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

300MHz −10dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

300MHz −20dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

300MHz −30dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

300MHz −40dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

400MHz −50dbm

 

SPAN=1000MH

RBW=5MH

 

300MHz −60dbm

 

SPAN=50MH

RBW=200KH

 

10MHz 0dbm

 

SPAN=50MH

RBW=200KH

 

950MHz 0dbm

 

このあたりの周波数になると、いろいろな要素により

指示値が実際より低くなっています。

 

 

SPAN=200MH

RBW=MH

 

500MHz 0dbm

 

SPAN=20MH

RBW=200KH

 

500MHz 0dbm

 

SPAN=2MH

RBW=10KH

 

500MHz 0dbm

 

1stLOPLLのスプリアスがそのままスプリアスと

なって表示されています。

 

 

SPAN=200KH

RBW=KH

 

500MHz 0dbm

KHzのフィルタは中心周波数が9KHzずれています。その影響で中心周波数がずれています。

約30KHz下にスプリアスがあります。これは、LPFを500MHzで切り替えている影響だと思われます。

その他の周波数(500MHz以外)では出ません。

 

 

50.0MHzと50.1MHzの−10dbmの2信号を入力したときです。どちらも入力ATTは20dbです。メーカー製はATT分を後のIF段で増幅して表示レベルが変化しないようになっていますが、自作では対応していないので表示が10db下がります。

(自作では、常時10dbのATTが入っています)

 

自作スペアナのRBWは10KH

 

 

50.0MHzと50.1MHzの0dbmの2信号を入力したときです。

IMDの山が実際より高く表示されます。

これは、使っているMIXの性能の差だろうと思われます。

 

 

参考文献

PLL回路の設計と製作

トロイダル・コア活用百科

GHz時代の高周波回路設計

LCフィルタの設計と製先   以上 CQ出版社

 

参考HP

JR1PWZ 清水さんのHP

 

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