スペアナの製作 No2

2007.07.03

RF部

RF部の構成は、AT−220を使ったATT − PLP1200を使ったLPF − MCA1−42H(MIX) − uPC1678

の構成です。

ATTは、M/A−COMのAT−220を使いました。 データシート

このICは、中に2db、4db、8db、16dbのATTがあり1・3・5・7ピンに−5Vを加えることにより2〜30dbまでの

2dbステップで設定が出来ます。

今回は、このICを3個使いそれぞれ0db、10db、20dbを切り替えれるようにし全体で0〜50dbまでを10dbステップで

設定出来るようにしました。

このICは1個で挿入損失が約1.5〜2dbあります。3段繋げると4.5〜6dbの損失が発生します。

各ピンの設定表です。

0dbのときは、1,3,5,7ピンに‐5Vを供給します。

同様に

10dbは、3,7ピンを‐5V 

20dbは、1,5ピンを‐5V に設定します。

 

 


−5Vの供給は、ダイオードマトリクスを組んでいます。

 

 

1GHzまでの特性です。

0db

−10db

−20db

−30db

−40db

−50db

 

周波数が高くなるほど、減衰量が多くなっています。

ただ、どの周波数でも10dbごとの減衰は確保されています。

 


基板全体の様子です。

左上がMIX+uPC1678

 

左下がLPFです。

 

回路図

 

 


ここでも、CD−ROMのケースに入れています。

 

 

入力に300MHz 0dbm

LOに1347MHz +15dbm

 

出力にBPFを繋いだ出力です。

全体で、約−6dbmのゲインです。

リニアリティは、+10dbm入力まで確保できました。

 

 


これで、RF UNIT、1stLO UNIT

2ndLO UNITと3つのUNITが出来ました。

 

 

LOG AMP

LogAmpといえば、AD8307があまりにも有名です。

実際この製作でも使っていますが、レベル範囲を拡大した場合AD603とAD8307の間にフィルタを入れないと結果が期待した

ようにはなってくれません。

狭帯域の場合は、それでいいのですが今回のような場合にはあまりよくありません。

電源が+−両方いるのも、少しおっくうです。

 

そこで、同じアナデバのAD8310というデバイスを入手してみました。

データシート

単体で95dbのダイナミックレンジがあります。

周波数範囲は、0−440MHzと8307に比べて少し狭いですが単電源で働くのがいいです。

 

実験基盤です。

AD8310はMSOPという形式で

横幅3mm

縦4.9mm(足の先から先まで)

とかなり小さいです。

 

回路図は、データシートの中の、

NARROW−BAND MATCHING

の回路を使いL=3300nHは、7KTypeの

ボビンに15t巻いています。

 

 

入出力特性です。

 

+10dbmから−85dbmまで95dbにわたり

きれいなリニア特性が得られました。

 

簡単に、データシートと同じ特性が再現できました。

 

 

これで、RBWのフィルタとは無関係に95dbのダイナミックレンジが確保出来たので、今後の構成の自由度が増しました。

AD8310を使う事で、+10dbmまで使えるようになったので3rdMIX+3rdIFAMPを作り変えて+10dbmまで使えるようにしました。

 


回路図

構成は、2SK125×4のアクティブMIX+2SK125×2のポストアンプ+LPFです。

いずれもトロ活の中の回路です。

 

上記のユニットとLogAMPの間にRBWのフィルタを入れます。

 

 

 

こうすると、RBWのフィルタは+10dbmまでリニアな特性であることが必要になります。

前に実験したTRを使ったフィルタはこの条件では使えそうにありませんので全部パッシブフィルタ(クリスタル、セラミック、LCのフィルタ)にする事にします。

 

RBWのフィルタに3MHzと10KHzを使った場合の全体の入出力特性です。

 

赤=3MHz

青=10KHz

 

3MHzの方が広帯域雑音が大きくなるため低い方が

−75dbm〜−80dbm辺りまでしか下がりませんがそれでも80〜85dbmのダイナミックレンジは確保出来ました。

 

 

 

3Mhzのフィルタは前に作ったガウシャンタイプの

ものです。

 

10KHzは、10.695MHzのクリスタルの手持ちが、たくさんありましたのでそれを使っています。

fs−fpの差は約22Kあるのでなんとか10Khzのフィルタが出来ました。

マッチングはLマッチを使いました。

 

しかし、ノーマルのままでは、使い物にならず両端の水晶をパラ接続してやっと使えそうなものになりました。

 

 

特性が、角ばっているのであまりいい特性とは言えませんが前のスペアナの10KHzのフィルタは

マッチングにFETを使っていますので+10dbmまでは無理ですから少し特性が悪くてもこの

フィルタを使うことにします。

 

LSB特性が強く出ていますが、この水晶を使って3KHzのフィルタを作るとまともな物がつくれるので10KHzという広い帯域幅が影響しているのではないかと思っています。

 

2007.08.28

 

全体を繋げてみました。

 

この、各ブロックの中は当初とはかなり違ってきました。

 

悪い癖で、メモ程度しか取っていないので後で回路図を

修正するのが大変そうです。

 

 

液晶の表示関係

DDS

10キー

LCD表示

 

全体の制御関係は、表面パネルの裏側にすべて纏めています。

 

 

入力に、500MHz −10dbmの信号を入力した

様子です。

 

スプリアスが目立ちます。

 

原因としては、2ndLOあたり

電源の配線の不具合

などが考えられます。

 

これから、不具合をひとつひとつ解消していく作業に

なります。

 

入出特性@

赤 RBW=3MHz 青 RBW=10KHz

全体特性A

赤300MHz 青800MHz RBW=10KHz

 

 

 

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