スプリアス退治
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300MHz −10dbmの 信号を入力したときです。
主信号のすぐ上(約20MHz)に スプリアスがあります。
改造前のスペアナでもこのスプリアスには 悩まされました。 前の時は、1stIFのBPFの中心周波数をずらして ごまかしましたが、今回は原因を突き止めてみたいものです。
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ということであれこれと、原因を探っていましたがやっと判りました。
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これは、2ndIFの出力の様子です。
このときは、出力をそのままスペアナに入力して測定しています。 目的信号以外に目立つ信号はありません。
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これは、2ndIFと3rdMIXユニットを結合してその途中から信号を取り出して 見たものです。
3rdLOの132.5MHzが入り込み121.8MHzの信号が生成されています。 この生成された信号がスプリアスの元でした。
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そこで、2ポールのBPFを作ってみました。 20MHz下では、−35db下がっています。 今回は、高いほうは関係ないので高い方の減衰特性は無視します。
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左が、スプリアスのある状態です。
右が、2ndIF 3rdMIXの間に作ったBPFを入れた時です。
BPFの挿入損失があるので山は低くなっていますが、スプリアスは見事になくなりました。
夏の終わりの幽霊退治でした。
2007.10.04
その後、不具合を少し修正しました。
不具合とは、10キーを使って周波数やスイープタイムを変えたとき表示が右に少しずれるというものでした。
最初は、10キーを使って設定したときDDS設定用のAVR(ATmega48)に信号を出しint0割り込みでデータ処理させるもの
でしたが、どうやってもうまくいきませんでした。
そこで、今度は逆にDDS設定用のAVRが1スイープ終了後に10キー設定用のAVR(AT90S8535)にデータをもらいにいくようにしました。
データの変更がなくてももらいにいくので少し効率は悪いのですが見た目にはわかりませんのでよしとしました。
後、スプリアスの低減ですがまだ2つ残っています。
72MHz付近と300MHz付近です。
出ている場所は、2ndLO+2ndMIXのところらしいのですがなかなか消せません。
それと、少し前に1stLOのPLL用のレファレンスに使っていた秋月のDDSを電圧のかけ間違いで昇天させてしまいました。
この電圧の間違いは、いつになってもやってしまいます。(とほほほ・・)
そこで、AD9851を使って作り変えましたがプログラムが長くなる分最低スイープ時間が500msec位にしかなりません。
(小遣いに余裕ができたら秋月のDDSを買いましょう。)
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フルスパン(0−1GHz) のスプリアスの様子です。 72MHz・300MHz付近にあります。 一番左の山は0に出る表示です。 |
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300MHz、0dbmの信号を入力したものです。 表示は、少し安定していません。 スイープごとに2〜3db変化します。 現在は、RBW=3MHzのフィルタを使っていますが 1000MHzを240ポイントでスイープしていますから 4.17MHz間隔になります。 RBW=5MHzにしないと安定表示できないのではと思っています。 |
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同じ信号を、TR4170で見たものです。 第2高調波、第3高調波の山の高さも良くあっていると 思います。 後は、スプリアスの処理です。 |
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上記の300MHzの信号を スパン=200MHz RBW=3MHzで見たものです。 すぐ左側に小さな山がありますが、これがスプリアスです。 288MHz付近でしょうか。 |
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上記の信号を、 スパン=50MHz RBW=300KHz で見たものです。 スイープタイムは、約500msecです。 少しスイープタイムが早いのか、山が低くなっています。 左のスプリアスはこれでいくと、13MHz位下にありますので約287MHzにあることになります。 |
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同じ信号を スパン=20MHz RBW=300KHz で見たものです。 スイープタイムは一緒です。 この300KHzのフィルタは、3MHz、10KHzのフィルタに比べて挿入損失が7db位大きいので必然的に山が低くなります。 |
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同じ信号を スパン=500KHz RBW=10KHz で見たものです。 スイープタイムは一緒です。 さすがPLL制御しているだけあって、ドリフトはありません。 10分間位ほって置きましたが変化なしでした。 中心周波数が少し狂っています。 DDSを設定する時の、定数を調整すれば合わせられると思いますが最終調整の時にします。 根元の盛り上がりは、フィルタの群遅延特性が悪い影響かと思いスイープ時間を3S程度まで遅くしてみましたがほとんど変化無しでした。 他の原因と思われます。 |
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これは、150MHz(-10dbm)と150.05MHz(-10dbm)の2信号を合成したものを見ています。 スパン=500KHz 下の写真は、同じ信号をTR4170で見たものです。 こちらには、本来無いはずの3rdのIMDが見えています。 どこかで、発生している模様です。 (今後の課題です) 同じ10KHzのフィルタでもこちらのほうがキレはいいようできれいに2本に分かれています。 メーカ製のスペアナのRBWのフィルタは、-6db –60db でのシェイプファクタは1:10くらいのようです。 それに比べるとこちらのフィルタはクリスタルフィルタなのでキレはいいようです。 |
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いずれにしても、大分格好になってきました。
2007.10.08
スプリアス退治が、ほぼ終了しました。
スプリアス退治には1にシールド、2にシールド3,4がなくて5にシールドということがよ〜く分かりました。
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作り直した、最初のブロックです。 左上が、ATT(基板の下にコントロール部があります) その右横がDBM(RMS-30を使った自作品) その後右下のBPFに入ってその左横のAMP(uPC1678) (シールドBOXの中に入れています。) で増幅しています。 ATTは、1段にして −10、−20、−30db の3段階にしました。 最初のように3段も重ねるとロスが大きく(1段で約2〜3db) −40、−50dbのATTは使うことが無いと思い1段にしました。 |
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無入力時の様子です。 目立つスプリアスは無くなりました。 |
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300Mhz0dbmの信号を入力した様子です。 第2高調波が実際の信号より約10dbm高く表示されています。 今回、作り直す途中でMIXに使っていたMCA1-42MH+ を基板から取り外す時に失敗してハンダ付け用のランドが基板に残ってしまい使えなくなってしまいました。 そこで、昔作っていたRMS-30を引っ張り出してきたわけですがこのRMS-30のLOレベルは+7dbm、MCA1-42MH+のほうは+13dbmということでRMS-30には少し過入力のようです。 そのうち、又MCA1-42MH+を仕入れて交換してみようと思っています。 |
次は、RBWのフィルタですが今のままクリスタルフィルタ・セラミックフィルタを使っていくのか、もう一度前に実験した回路を蒸し返してみるのか
悩んでいます。
クリスタルフィルタ・セラミックフィルタを使う場合は30KHzのフィルタのメドがたちません。
いま少しじっくりと考えてみます。
2007.10.20
RBWフィルタ
RBWのフィルタは結局、クリスタルフィルタ、セラミックフィルタ、LCフィルタを使うことにしました。
準備したのは、5MHz、1MHz、200KHz、10KHz、1KHzの5種類のフィルタです。
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上から 5MHz ガウシャンフィルタ 1MHz LCフィルタ 200KHz セラミックフィルタ 10KHz クリスタルフィルタ 1KHz クリスタルフィルタ です。 切り替えには、リレーを使いました。 |
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5MHzのフィルタの特性です。 群遅延特性もおだやかです。 |
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1MHzのフィルタです。 少し角張っています。 群遅延特性にもツノがあります。 |
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200KHzのフィルタです。 まだ、TR-4172の設定に慣れていないので帯域外にツノがいっぱい出ています。 見難くて申し訳ないです。 |
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10KHzのフィルタです。 いい特性になりました。 |
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1KHz(820Hz)のフィルタです。 5素子のフィルタです。 まずまずの特性だと思います。 このフィルタは、手持ちの関係で10.695MHzの クリスタルを使って作っています。 画像を見てもらうと判るのですが中心周波数が10.691 Mhzになっています。 将来的には、10.75MHz位の水晶を入手して10.7MHz のフィルタに交換が必要です。 |
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RBWフィルタの減衰量がそれぞれ違うので10dbのNFB アンプ(2SC1815×2)とPINダイオードを使って差が無いようにしています。 |
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AD8310の前にも、2SC1815×2のNFBアンプ(+10db) を入れています。 これは、最初の入力に10dbのATTを常時入れることにしたためその補正用です。 このブロックを一つのBOXの中にまとめました。 |
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下に、LOGアンプ、PINダイオード、NFBアンプを置いて 2段構成にしました。 |
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PINダイオード制御用の、半固定VRは8個並べています。 これは、将来RBWのフィルタをフルライン揃えたときの ためですが、必要ないかもしれません。 |
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