R3267

 

人間の欲望というのは際限がないもので、もう少し詳しく測定したいという欲望に負けてR3267を購入してしまいました。

今回は、とあるSHOPで動作品(1ヶ月保証付き)というのを購入しました。購入金額は相場に比べてかなりお安く仕入れたのではと思っています。

 

 

やってきたR3267です。

 

性能

 

このカタログをみるとRBWが標準で1Hz〜となっていますが

今回入手したものは古いためか10Hz〜しかついていません。

 

画面もカラー液晶で見やすいです。

 

裏面の2ndLO,3rdLOの取り出しはありますが1stLOの取り

出しはありません。もう少したってメーカーサポートが切れたら

開腹して取り出せるか見てみたいと思います。TGを内臓できる

ようなのでどこかに分岐点はあるのではとにらんでいます。

 

製造年月 1999年10月

動作時間などをみてみると

電源投入回数 980回

動作時間 28,000時間

ATT動作回数 4エリアのうち最大で67000回

(R3267の交換目安は200万回)

 

でATTのほうはまだまだ問題ないようです。

 

 

最初は問題ないかなと思ったのですが、CAL信号(30MHz −10dbm)が2db位低く表示されます。1時間以上十分暖機運転してCAL ALLを実施しても

同じです。CAL自体は別のスペアナで確認したところ−10dbm出ています。

そこで購入先にその旨申し出ると「引き取って再調整します」とのこと。最初からチェックしておいてくれよと思いながら送りました。4〜5日たってメールが届き

電源を入れた直後は2dbくらい低く表示するが20分くらいたつと正常になります。このような状態でも了承いただけるのら最出荷しますとのこと。

まーだいたい機械が暖まらないうちはそんなものだろうとOKを出し送ってもらうことにしました。

(後日アドバンテストに確認したところ、それで正常ですとのことでした)

 

再び届いた後は、快調に動作していました。

いろいろ操作しているうちに、いろいろおやっと思うところがありましたのでまとめて販売店に問い合わせてみたところ「こちらも性能の全部を把握しているわけでは

無いので詳細はメーカーに問い合わせてみてくれ」との返事です。

そこでメーカーに問い合わせてみました。

メーカーに問い合わせた内容

 

メーカーからの返事

 

早速ですが、お問合せのご返事申し上げます。

Q1:RBW 10Hz のときRBW 30Hz よりノイズレベルが上がる。

A1:R3267 の設計上の問題で、ご指摘の通りノイズレベルが上がってしまいます。

(不良では御座いません)

 

Q2:REF.LEVEL-10.0dBm から -9.00dBm にするとノイズフロアが上がる。

A2:内部IFのステップアンプゲインの切替えにより発生します。測定信号レベルは変わりませんが、ノイズフロアが変化します。

こちらもまた不良では無く、R3267 の設計上そのようになります。

 

Q3:CENTER Feq.30MHz,SPAN 10kHz(RBW,VBW,SWEEP:AUTO) の時、30MHz CAL信号入力にて波形のピークが中心からずれる。

A3:RBW の応答(レスポンス)により表示波形のピークがずれます。SWEEP TIME をマニュアルで1秒とか2秒にするとセンターになります。

(不良では御座いません)

RBW,VBW,SWEEPがAUTO の時 SPAN 設定で最適と思われる設定(掃引時間を出来るだけ短く)にしておりますが、波形の遅れが出ております。

 

ご指摘内容はいずれもご使用の機器の不良では無く、設計上の問題ですがR3267 の性能です。

以上、よろしくお願い申し上げます。

 

ということで、不良ではないということで安心して使えます。

 

CAL信号を

SPAN=1KHz

RBW=10Hz

で見たものです。

 

 

その後4日くらいたってRBWを切り替えると何か表示が変です。特に狭いRBWにすると顕著に現われます。

おかしいなと思って、CAL ALLを実施するとエラーメッセージです。

 

 

Error 404

RBW Switching Cal failed.

 

と表示されます。

 

がっくりして販売店に連絡すると引き取って修理しますが、修理できるかどうかわかりませんとの返事です。

取りあえず返金するから送り返してくれとのことです。

 

そこで故障品として少し安く販売してもらうことにして、メーカーに修理に出すことにしました。アドバンテストは出荷後10年間は定額修理してくれるので問い合わせて

みたところ「定額修理で出来ます」との返事です。ここで定額修理に出しても値引き分があるので相場の半値程度で安心して使えるものが入手できたことになります。

 

この修理に出す決断をしたのが4月24日でした。アドバンテストに送りましたがすぐにGWに突入でアドバンテストは10連休に突入です。

当分かかるなと思って腹をくくっていましたが、GW明けの5月6日に症状を確認したので修理してもいいかとの確認の電話がありました。そこでOKの返事をしましたが

実際修理が終わるまでは何日間かかかるのかなと思っていました。そうしたらなんと次の日には修理が完了したので修理代金を払い込んでくれ確認したら返送します

との連絡がありました。早速送金したところ次の日には発送になりその次の日には届きました。なにやら立派な搬送用のBOXに入って送り返されてきました。このBOX

も送り返してくれとのことです。

 

今回の修理内容です。

 

交換 BLM−023097(IF BLOCK)

上記の通り処置し、動作点検しました。

 

この動作点検とは、すべての機能が正常に動作しレベルもすべて基準内であることを確認するとのことでした。

 

今回の費用は、135,000(138,000−3,000(WEB割引))+6,750(消費税)=141,750円でした。

 

校正証明書は付いていませんが、すべてのレベルが基準内であることが確認されていますので安心して使うことが出来ます。

この定額修理が依頼できるのは、発売後10年だそうですのでこの機械は後1年半あるこのになります。

 

 

その後、NFBAMPの2信号特性の実験中におかしなスペクトル

があることに気が付きました。

右側の4番のマーカーのすぐ左と右側です。

 

最初は、自作のDDS SGを使っていたのでそのスプリアス

だろう位に思っていました。

 

(カラーで画面COPYするとファイルが大きくなるのでモノクロ

で取得するようにしました)

 

 

 

 

その2〜3日後、なにげなくCAL信号をSPANを狭くしてみた

とき変なスプリアスが出ているのに気が付きました。

 

これはなんだ!

 

又故障かと青くなりました。

 

 

 

そこで8657Bから、30MHz −10dbmの信号を入力して

みたところ同じようにスプリアスが出ます。

 

これは間違いなくR3267の不調のようです。

 

 

 

SPAN、RBWを変えてみてもスプリアスはあります。

 

CAL ALLを実行しても同じです。

 

 

 

でも修理に出す前はこんな事は無かったのでアドバンテストにメールで問い合わせてみました。

どんな返事が来るかなと思っていたところ、直接電話が掛かってきました。

 

ADV「アドバンテストです。メール拝見しました。スプリアス大きいですよね。」

 

当方「はい。大きいです。」

 

ADV「引き取って調べたいのですが、よろしいでしょうか。」

 

当方「それはかまいませんが。」

 

ADV「それでは○○日にヤマト運輸が専用BOXを持って引き取りに伺いますのでよろしくお願いします。」

 

ということで引き取って調査してもらうことになりました。(当然送料はADV持ちです)

 

その後、1週間くらいたっても何の音沙汰もありません。そこでメールで進捗状況を問い合わせると 「こちらでは画像の大きさのスプリアスがまだ確認できておりません。

使用状況によるものかもしれないので現在温度を変化(室温と思われる)させて状況の確認中ですのでいましばらく時間をいただけませんでしょうか。」との事です。

 

あたりまえのことかもしれませんが、ここまで丁寧に対応してもらうとありがたくなってきます。

 

さらにそれから1週間くらいたって突然修理が終わったので発送しますとのFAXが朝10時くらいに届きました。でその日帰宅してみるともう届いています。航空便で届い

たようです。

 

修理内容ですが

 

交換 BLM−023098(SYNTHE BOARD)

上記の通り処置し、動作点検しました。

尚、再修理のつき無償対応とさせていただきます。

 

とのことです。

 

 

前回のときと同じ条件で試してみたところスプリアスは

ありません。

 

当然CALの近くに出ていたスプリアスもありません。

 

 

その後は、快調に働いていることはいうまでもありません。

 

今回の対応をみていると、とても信頼できる会社だと思いました。

良く考えてみたら現有しているスペアナすべてがここの会社のものです。安心して使っていけそうです。

 

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