2008.10.27

 DDSクロックの改善

1stLO、2ndLOともにDDSを使ってみようということになりました。

ここでの問題点は、DDSはスプリスの巣ですので2つ使うことによりかなり厳しい状況になるのではということです。

ジェネカバ機能は採用しませんので、HAMBANDにどの程度入り込んでくるかということになります。

これは計算できませんので実際に作ってみないと判りません。

しかし、いろいろ対策を施してDDSのスプリアス自体を低減しておけば少しは良くなるのではと思いクロックの440MHz信号のスプリアスを徹底して低減してみました。

 

作り直した440MHzクロックです。

左側は、10MHz基準信号用OCXOです。

 

ブロック図

 

PLL回路図

 

VXO回路図

 

 

出力スペクトラムです。

 

1GHzまでの範囲で見える範囲にはスプリアスはありません。


作り変える前の状況です。

 

 

上記440MHzクロックをAD9952のクロックに使って作り出した

76.68MHzの信号です。


上図改善前に比べると若干良くなっていますが気休め程度です。

 

 

AD9952の出力にDWM−BPF(3段)を入れた状態です。

 

この後、+15dbm程度まで増幅しても出力にLPFを入れると

見える範囲ではスプリアスは見えなくなると思われます。

 

 

 

作った2ndLOです。

 

AD9952の後に、

DWMフィルタ3段+謎のTRAMP+LPF3段の構成です。

これで出力は+14dbmくらい出ます。

 

 

 

 

出力スプリアスの様子です。

 

(スペアナの入力に20dbのATT挿入)

 

第2高調波がここまでは下がるのですが、この後にどんなフィルタ

を持ってきても変化なしです。

 

主経路ではなく別の経路で出ている可能性もあります。

 

この1週間あれやこれや試してみたのですが一旦ここで

打ち切って次に進むことにします。

 

そのうちに対策がパッと浮かぶかもしれません。

 

 

 

近傍の様子です。

 

とりあえずは、見える範囲にはスプリアスは見当たりません。

 

 

2008.11.13

PBT

PBT(PASS BAND TUNING)の実験をしてみました。

手持ち部品を出来るだけ活用したいので、いろいろ周波数関係の考察を続けていましたが結局

12.8MHzの水晶でフィルタを作り、7.68MHzの水晶を使ってVXCOしてみようということにしました。

 

 

構成図です。

 

DBMでの損失を考慮して12.8MHzで1段増幅します。

 

DBMには、TUF−1を使いました。

 

回路図

 

 

 

12.8MHz 8素子のフィルタです。

 

6db帯域幅で、2.8KHzです。

 

 

 

出来上がったものです。

 

左上 5.12MHzIF2段増幅+DBM

左下 7.86MHzVXCO

中上 12.8MHzXF

右下 12.8MHzIF1段増幅+DBM+5.12MHzIF2段増幅

右上 AGC時定数

 

フィルタの損失も全部含めてIF部としてのGAINは100dbになり

ました。

 

 

 

PBTを中心に持って来たときです。

 

 

 

通過帯域の下側を狭めたときです。

 

 

 

通過帯域の上側を狭めたときです。

 

どうもすっきりとした特性になってくれません。

 

なんとかPBTの働きはしてくれています。

 

 

しかし、どうもしっくりこないのでこの2SC2348を使ったIFAMPはあきらめて作り直すことにしました。

 

今度使ったのは、MC1350です。

どうもTRを使ったものは部品点数が多くなり、実装の問題もあり回り込みや迷結合などいろいろあり安定動作には問題がありました。

(自分の腕が未熟なだけですが・・)

 

その点ICでは部品点数も大幅に少なくなり(腕の未熟さもカバーしてくれそうです)製作も楽になります。

 

MC1350を使ったIF回路です。

 

PBTを含んでいます。

 

回路図

(再現性については、全く考慮していませんので定数は記入

 していません)

 

AGC検出回路は、清水さんの回路をそのまま使わせていた

だきました。

 

 

 

最初は、12.8MHzの水晶でPBT用のフィルタを作りました。

この時の、PBT用のLOは7.68MHzにしました。

この周波数関係が最悪でした。

 

これは、PBTを働かせた時の出力の様子です。

なぜか、両脇にスプリアスがあります。

 

この原因が判らず、2日間悶々としました。

 

結局原因は

5.12MHz×3=15.36MHz

7.68MHz×2=15.36MHz

という周波数関係にありました。

 

最初は、LOの高調波の影響だろうと思ってLPFを入れて

第2高調波をー50dbm下げましたが変化無しでした。

 

結局は、5.12MHz×2=10.24MHz

      7.68MHz×3=23.04MHzでこれを引くと

12.8MHzになります。

 

又5.12MHz×4=20.48MHz 7.68MHz×5=

38.4MHzの差も12.8MHzになります。

 

元々ミキサはこういう高調波を大量に発生させるところなの

でこういう周波数関係はいっぱいあるということになり左図の

ようなスプリアスのオンパレードとなったようです。

 

そこで、PBT用のフィルタを9.83MHzの水晶を使って作り、LOを14.985MHzの水晶を無理やり14.95MHzにVXOして作ったところスプリアスの呪いからは

開放されました。

 

作った9.83MHzのフィルタの特性です。

6db帯域幅は3.1KHzと少し広いのですが15.95MHzのVXOが

結構動くのでこのまま使ってみます。

 

このVXOは、結構無理して動かしているので安定度が少し悪いです。

10NHz台がパラパラと動きます。

 

通過帯域が数10Hz程度動いても、受信音にそう変化があるとも

思えないレベルなのでとりあえずこのまま使ってみることにします。

 

どうしてもダメというときには、水晶屋さんに特注することにします。

 

 

 

この周波数関係でPBTを働かせたところですが、スプリアス

は見事に無くなりました。

 

 

下の画像はPBTを働かせたときの様子です。

 

 

 

このIF−AMPの入出力特性です。

 

全体としてのGainは、約100dbです。

 

 

2008.12.27

今回ディスプレィには、大型LCDを採用してみようということにしました。

今回使ったのは、秋月で売っている「SG12864ASLB−GB−R01」というものです。

使い方としては、O−familyさんのHPを参考にさせてもらいました。

 

 

表側の様子です。

 

回路図

 

大型LCDには

 

サブ周波数表示

RIT表示

VFO切替表示

Sメータ表示

POメータ表示

を表示させています。

 

 

 

裏側の様子です。

 

左側のAVRが「AT90S8535」でLCD表示用です。

その他に、DDS制御・RE・7seg表示データ出力等を受け持ち

ます。

 

右側のAVRが「ATmega644P」で7seg表示、BAND−SW

の切替等を受け持ちます。

 

AT90S8535プログラム

 

ATmega644Pプログラム

 

プログラムは、まだ途中でVFOの切替やRIT操作などを追加

する予定です。

 

今回BASCOM−AVRの正規版を購入しました。

AT90S8535のプログラムは現在約6KBあり、デモ版では

書き込みできません。

又AT90S8535の変わりにATmega644Pを使ったところ

LCDの表示が乱れました。

原因はよく判りません。

 

16×8Font

8×8Font

 

サブ周波数表示を大きく見やすくするために16×8Fontを

作りました。

16×8Font全部は作っていなくて、使用する必要最小限のもの

しか作っていません。

8×8Fontは、 “>”を“■”に “$”を“−”に変更しています。

 

 

 

大型LCDの詳しい表示内容です。

 

デザインは仮のデザインです。

変更は、プログラムを替えればすむので簡単です。

 

Sメータ・POメータ表示は左側から棒グラフが伸びたり縮んだり

して表示します。

周波数表示の下にある横棒は、その桁が変化することを示して

います。

 

 

2009.01.26

1stMIXについては、以前2SK125を使ったMIXの実験をしてその後もう少しいいMIXが出来ないかとバスSWMIXなどを実験してきましたが

どうもいいものが出来ませんでした。

(バスSWMIXもIFが低い周波数ならすばらしい結果が出ますが、今回のようなIF=71MHzというような高い周波数では難しいということです)

 

現状では、これ以上のMIXは望めないということで、2SK125を使ったMIXですすむことにします。

 

 

実験基盤です。

 

同じ定数では、周波数によって性能にバラツキがでます。

そこでBAND毎に定数を変更することにしました。

 

回路図

 

コアはヤフオクで入手した、詳細不明のコアですが結構いい

結果が出ています。

FB801−43でもほぼ同じ結果になります。

 

電源電圧は+10V、−5Vで電流は全体で約100mA流れて

います。

1本あたり12mAくらいでほんのり熱くなる程度です。

 

 

各周波数でのIIP3の様子です。

 

入力した2信号は、+10dbm 10KHz離れ

スペアナ(R3267)の入力に20dbのATTを挿入

LO入力は+17dbm入れています。(このレベルが一番いいようです。多くなっても少なくなってもIM3は悪化します)

スプリアスの項目では、マーカーが付いている信号が目的信号です。(IF出力)

 

周波数

変換損失

IIP3

IM3

スプリアス

3.5

7.3

37

6.5

35.5

14

7.9

37

18

7.5

36

21

6.2

39

24

7.8

40

28

5.4

39

50

7.3

38.5

 

2009.02.09

掲示板でいつも情報交換していただいているJR1PWZ清水さんとのやりとりの中で「SD8901」が入手出来ないと書いたところ、清水さんのご好意により少しなら

手持ちがあるのでお譲りしてもいいとのことで、ありがたく少し譲っていただきました。

 

譲っていただいた「SD8901CY」です。

 

最高周波数 250MHz

変換損失  −8db

IMD3    +35db

となっています。

 

回路図等は清水さんのHP記事を参考にさせていただきました。

 

 

 

実験基盤です。

 

使っているコアは

 

RF入力 FB801−43 トリファイラ4t

IF出力  謎のコア     トリファイラ5t

LO入力 謎のコア     トリファイラ5t

 

LOレベル +25dbm

実際に使うLOではなく、SGからの入力です。

 

 

謎のコアとは、ヤフオク入手のコアで詳細不明のものです。

 

直径が約13mm

内径が約7mm

厚さが約5mm

 

のものです。大きさはアミドンのT−50シリーズより少し

大きめです。

 

写真のように3本の線が5t巻いてあります。

直感的に使えそうと思い入手しました。

 

 

 

この「謎のコア」の伝送線路トランスとしての特性です。

 

 

 

こちらは、同じ条件で測定した「FB801−43」の特性です。

謎のコアのほうが低い周波数でも使えそうです。

 

 

各周波数でのIIP3の様子です。

 

入力した2信号は、+10dbm 10KHz離れ

スペアナ(R3267)の入力に20dbのATTを挿入

LO入力は+25dbm入れています。

スプリアスの項目では、マーカーが付いている信号が目的信号です。(IF出力)

 

周波数

変換損失

IIP3

IM3

スプリアス

3.5M

47.5

7M

6.3

46.5

14M

6.7

47

18M

45.5

21M

6.9

45

24M

7.3

41.5

28M

7.8

43

50M

6.5

37

 

2SK125を使ったMIXよりかなりの性能UPになりました。

このSD8901は、電力がほとんどいりません。今回流れている電流は約3mAです。2SK125が約100mA消費するのに比べると大幅な省エネです。

ただ、このSD8901を使うためにはLOのパワーUPが必要です。

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