ステップアッテネータ

 

これは、今秋月電子で5個200円で売っている表面実装用の2回路2接点のリレーです。

これを使ってAVR制御のステップアッテネータを作ってみました。

 

ATTの範囲は0−69dbmの間を1dbステップで可変できます。

ATT値の設定は、

@     キーボードからの直接入力

A     1db、10dbのSTEP UPDOWN

B     ロータリーエンコーダによる設定

の3通りの設定方法を採用しました。

 

回路図

 

プログラム

 

 

まずは、このような感じで両面基板をカットしてパターンを作りました。

ATTはπ型を使いました。

 

 

 

 左図の構成で各定数は下記の通りとしました。

 抵抗は手持ちの普通のカーボン抵抗の中から抵抗値がより近いものを

 選別して使いました。

 金属皮膜抵抗を使えばもう少し高い周波数までいい結果がでるとは

思いますが今回は、100MHz位までが対象なのでこれでよしと

しています。

 

 

減衰量

R1の理論値

実際に使った抵抗

R2の理論値

実際に使った抵抗

1dbm

5.769

12//12        5.9

869.5

51+820   869.8

2dbm

11.61

15//50         11.6

436.2

47+390   436.5

3dbm

17.61

18        17.8

292.4

75+220   293.8

4dbm

23.85

4.7//50        23.9

221

220       221.2

10dbm

71.15

120//180      71.4

96.25

47+50      96.3

20dbm

247.5

390//680     247.7

61.11

62          61.1

30dbm

789.78

820//18000   786.3

53.266

5+47       53.2

 

 

パーツを実装した状態です。

左から 30db、1db、4db、10db、2db

3db、20dbの7個のATTを作りました。

 

30dbのATTだけ抵抗を線でぐるぐる巻きにして

アースしています。

 

減衰量の大きい30dbと20dbを両端に配置しています。

10dbを真中にしてその間に1dbと4db、2dbと

3dbの合計5dbを配置しました。

 

全部ONにすると−70dbmまでですが

プログラム上−69dbmまでとしています。

 

 

 

ATTを使わずにスルーにしたときの状況です。

TG Level−10dbm)

 

 

0−60MH

0−300MH

0−1GHz

 

これは、この前に作ったDDS SG用にと考えています。0−60MHzでは0.3db内ですから問題無いと思います。

300MHzで1dbダウンになりました。ここらあたりが、まずまず使える範囲ではと思います。

 

実際にATTを働かせた場合です。

減衰量が大きくなるにしたがって150MHz以上で減衰量が少なくなっています。

これは、シールドをしていないのでその影響だと思われます。

今回の使用目的である100MHz以下では全く問題ありません。

 

−10dbm

−20dbm

−30dbm

−40dbm

−50dbm

−60dbm

 

表示状況です。

 

 

出力アンプ

 

 

構成は、uPC1668C+2SC3778パラ×2(電力合成)

 

uPC1668Cで約15dbm

2SC3778パラ×2(電力合成)で約15dbmの

合計30dbmのゲインとしました。

 

2SC3778パラ部分は、トロ活のNFBアンプを

使っています。

 

回路図

 

 

全体の周波数特性です。

0−60MHzはほぼフラットで1db下がるのは

約100MHzです。

TG Level=-15dbm

 

 

これらを一つのケースに組み込んでみます。

 

下が今回作ったものです。

 

 

内部の様子です。

 

LPFの下に切り替えリレー

 

その右のアンプの下に周波数カウンタ+LPF制御が

あります。

 

 

ブロック図です。

(クリックで拡大)

 

 

AVRを3個使っています。

 

AT90S8535 REと10Key入力、STEP ATTのリレー制御

ATtiny26    A/D変換、7segLED表示(出力レベル表示)(AVR事始の中に製作記事)

ATtiny2313  周波数カウンタ、LPF切り替えリレー制御

 

周波数カウンタは、JA9TTT/1加藤さんがHPに掲載されているものを使用しています。

そのカウント周波数でポートをON・OFFしてLPFを切り替えています。

 

LPFは定K型を使いました。

LPFの定数です。

切り替え周波数

コーナー周波数

10K 巻数

C1

C2

5MHz

6MHz

2.65uH

12t

330p

680p

8MHz

9MHz

1.77uH

11t

220p

470p

14MHz

15MHz

1.06uH

9t

150p

300p

25MHz

27MHz

0.59uH

6t

100p

200p

40MHz

43MHz

0.37uH

4t

68p

130p

60MHz

65MHz

0.24uH

3t

40p

82p

コイルはすべて10Kタイプのボビンを使っています。

これをATTを作るときに使ったリレーを使って切り替えています。

最初は、ダイオードSWで切り替えようとしましたがアイソレーションが取れなくてあきらめました。

ただ、2回路2接点のリレーで入出力を切り替えていますので高い周波数でアイソレーションが悪くなっています。

出来たら入出力を別のリレーにしたほうがいいようです。

 

 

最後の1枚は、HP8657Bのスペクトラムです。結構高調波が出ているものです。これが正しい特性かどうかは不明ですが。

 

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