RF2ToneGenerator 2008.08.24
実験をするとき、2Toneが必要になるときは結構あります。そのつどSGをコンバイナに繋いで作っていましたがその2信号でIM測定をしたとき左右のIMの山の高さが
かなり違う場面に度々出会いました。この左右のIMの山の差が3db以上あるとその測定系は信用ならないということらしいのです。
そこで、この際AD9952シリーズを使ってSGを兼ねた2ToneGeneratorを作ってやろうというこになりました。
構想としては、AD9952シリーズを2個使って2つの信号を作り合成するというものです。一つは、以前バラック実験した基盤がそのまま残っているのでこれを使って
もう一つは、作った基盤が残っているのでこれを修正して(エッチングのし過ぎで線が切れているところがある)作ろうと思います。
AD9952を駆動する基準信号には、ヤフオクで仕入れてあった210.15MHzのXCOを使いダブラして420.3MHzを作り出します。
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構成図です。 出力範囲は、0−150MHzにする予定です。 |
まずは、基準信号源です。
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右側にあるのが、210.15MHzの発信機です。 ヤフオクでの入手で安定度はそれなりです。 今回作るものは、1KHz以下の精度はあまり追求しません。 トロイダルコアを使ったダブラーで2逓倍し、2SC3355で 増幅してBPFを通して420.3MHzを取り出しています。 |
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210.15MHzの出力信号スペクトラムです。 |
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2逓倍して増幅しBPFを通したあとの特性です。 |
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上記の基準信号を使って、前に作ったバラック製作の AD9952を使って100MHzの信号を出力させたものです。 位相ノイズは問題ありません。 |
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その後、昔作ってあった基盤を使ってAD9953を使って 作ったものです。 |
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今回作った方法ですが、片面基盤で作った基盤をベタ基盤の 上に載せて擬似両面基盤にしようというものです。 |
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2枚を重ねてセロテープで固定してスルーホールの穴を 開けます。 AD9953の裏のアースの取り方は、基盤に穴を開けておき ハンダを流し込んでおきます。 その後、スルーホールを抵抗の線の切れ端で処理して 最後に、裏からガスコンロで熱してAD9953の裏のハンダ を溶かし下の基盤にハンダ付けするという荒業です。 (ベーク基盤では焼けてしまいます。ガラエポ基盤が必須です) 成功する保証はありません。自己責任です。 |
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150MHzを出力してみました。 問題ないようです。 |
2008.08.25
ここでDDSのクロックのスプリアスが生成信号にどのように影響するか検証しておきます。
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今回作った420.3MHzのスプリアスです。 |
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上記クロックを使い AD9953で生成した50MHzの信号のスプリアスです。 |
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その後、信号を2つのDDSのクロック用に分ける分配器の ロスも考えてもう1段増幅してみました。 |
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2分配した片方の出力です。 スプリアスもかなり少なくなりました。 約15db低くなりました。 |
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前の信号に比べてスプリアスがかなり低くなりました。 高い方にある折り返しの信号やクロックの信号は 今回150MHzを最高周波数としますのでLPFで簡単に 除去できます。 |
2008.09.01
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420.3MHzのクロックをケースに纏めました。 ケースは、5mm厚で幅40mmのアルミ板と0.3mmの 銅版を使って作っています。 |
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本体は、いつもどおりCD−ROMのケースを利用しています。 本体の中は 左下がAD9953 DDS UNIT 左上がuPC1668と1SV99(PIND)を使ったレベル調整+ アイソレーションAMP 右側は、謎のTR「0502−07」を4本使ったカスコードPP AMPで1dbコンプレッションLEVELは+26dbmです。 |
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その後、同じものをもう一つ作り2Toneを作ってみました。 AVRは「ATmega88」を使っています。 こんな感じで2つのDDSを制御しています。 |
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50MHzで5KHz離れの2Toneです。 IM3は、90db下ですので十分実用になりそうです。 この2Toneを使った場合、IIP3が+55dbmまで測定できる ことになります。 |
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その後、出力にLPFを入れてみました。 今回は、80MHzのLPFをT−37−6を使いCは50Vの 普通のセラミックコンデンサを使って作りましたがIMの悪化 はほとんどありませんでした。 左図は、スペアナ(R3267)の入力に20dbのATTを入れて いますので20db小さく表示しています。 又、実験中なので2信号は10KHz離れになっています。 (5KHz離れでも問題ありませんでした) |
2008.09.17
AVRを使って制御部分を作りました。
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ATmega88を3個使っています。 @
10キー入力、RE制御、LCD表示 A
DDS制御 B
7segLED表示 の機能を持たせています。 @
のmega88で10キー、REで入力した設定周波数は A
のmega88に送られDDSに周波数データを送ります。 そのあとBのmega88にデータを送り7segLEDを 表示させます。 10キーは昔の電卓(ほぼ30年前)のものを切り出して使って います。 AVRのクロックは、20.94MHzの水晶を使っています。 この程度ものにはこんなに早いクロックは必要ないのですが 以前、仙波さんに頒布していただいた水晶の中から使って います。 |
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7segLED部分です。 1Hz単位まで9桁で表示します。 緑色に特別な意味は無く手持ちがあったからです。 |
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LCDには、秋月の16桁×2行のバックライト無しを使って います。 上段には、高いほうの周波数を表示しています。 下段には、2信号の間隔を表示しています。 150MHzで10KHz離れの2信号の場合 7segLEDは、「150.000.000」 LCDの上段は、「150.010.000Hz」 下段は、「10.000Hz」 を表示します。 プログラムは、お見せできるようなものではないので 掲載しません。 各AVRのデータのやりとりには、いつものように Shiftin、Shiftout命令を使っています。 |
2008.09.29
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ほぼ必要な物がそろったのでケースINすることにします。 今回、準備したのはヤフオクで入手した左の写真のものです。 480×280×100の大きさです。 いい按配にATTも付いているのですが、スペースの関係で 使えませんでした。 |
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組み立て途中の様子です。 |
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いきなりBefore→Afterですが このような感じに仕上げました。 文字入れをしようと思って立ち往生しています。 透明なフィルムに白字で印刷して貼り付けようと思ったのです がインクジェットプリンタでは白字は印刷出来ないのです。 どうするかしばし考慮中です。 中央下の2つのつまみは、2Toneのそれぞれの出力の 調整用です。 10キーで、発信周波数と2信号の間隔を設定します。 右上のツマミはLPFの切り替えです。 周波数設定にあわせて自動切換えにする予定でしたが AVRのポート不足のため手動切替としました。 |
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内部の様子です。 真中のBOXがDDS+AMP部分で2段重ねになっています。 いつものようにCD−ROMのケースを使っています。 その左側が、420.3MHzのDDSクロック発生部です。 右上がLPF部です。 4,8,15,30,55,80,150MHzの7つのLPFがあります。 その下の小さなものがコンバイナです。 左上が電源部です。 19V2.4AのACアダプタ(おそらくパソコン用)をリサイクル SHOPで買ってきました。 その下が、AVR部で2段になっています。 下が10キー・LCD表示 上がDDS制御 です。 |
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ラックに収納して完成です。 |
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3.5MHz 10KHz離れ2Tone スペアナの入力に、20dbのATTを入れています。 (以後同) |
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7MHz |
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14MHz |
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24MHz |
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28MHz |
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50MHz |
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背面の様子です。 大げさですが、FANを付けています。 出力AMPは結構発熱するので気休めに付けました。 このFANは、SSBTRX用に入手したHPの機器に付いて いたものを使いました。 |
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50MHz 5KHz離れの2Toneです。 |
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50MHz 1KHz離れの2Toneです。 1KHz離れでも、IM3は80dbm下までには確認できません。 |
全BANDでIM3<−80dbmを達成しています。
このTTGを使うとIIP3は50dbm強まで測定出来ることになります。
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作ったRFTTGを使って、HF−VHF SSBTRX用に作った 謎のTR「0502−07」を使ったTOPAMPのIIP3を測って みました。(歪改善回路付加) (R3267の入力に+20dbのATTを入れています) 10KHz離れ+10dbmの2Toneの入力で左図の結果を 得ました。 これからIIP3を計算すると、+48dbmということになります。 10KHz離れということを考えればすばらしい特性ではないか と思います。(自画自賛) |