POAMP 2010.07.25

 

送信部のPOAMPに何を使うかいろいろ悩みましたが

結局三菱のFET「RD06HVF1」をPPで使うことにしました。

 

構成は 2SC1765−RD06HVF1PP としました。

 

回路図

回路図中では、コアの規格は参考にしたトロイダルコア活用百科

の中に記述のあるとおりにしていますが、実際に作ったものには

手持ちのコアの中から実験で一番良い結果が得られたコアを使って

います。

すべてJUNK入手なので正確な規格は不明です。

原典に記載されているコアと巻き数で同様な結果が得られるのではと

思っています。

 

 

 

全体の周波数特性です。

3−80MHzの間で0.3dbの間に収まっています。

この時のGainは約37dbです。

3dbmの入力で40dbm(10W)が出ます。

 

回路図中のFETのゲート側とドレイン側に入れている100pのトリマーを

調整してフラットな特性になるように調整します。

実験では、フラットにするとIM特性も良くなる傾向がありました。

 

 

 

全体の入出力特性です。

43dbmまでリニアです。(50MHz SingleTone)

 

これ以上は、電源の関係で測っていません。

(43dbm出力時 30V1.7A)

 

 

 

 

IM特性です。

 

3.5MHz

10W(PEP)出力時です。

 

 

 

50MHz

10W(PEP)出力時です。

 

30Vの電源を準備しなければいけないという問題はありますが

50MHzまでフラットな特性のリニアアンプが出来ました。

 

 

2010.08.03

PoAMPですが、やはり+30Vを使うのはしんどいのでなんとか+24Vでどうにかならないかと実験を続けていました。

コアをあれこれ変えながら、あーだこーだとやっていたところ何とか+24Vでもどうにかなりそうな感じになってきました。

 

3.5MHz 10W(PEP)

 

 

7MHz 10W(PEP)

 

 

18MHz

 

 

21MHz

 

 

29MHz

 

 

50MHz

 

 

この時の、周波数特性です。

50MHz近辺で若干盛り上がりがありますがほぼフラットな特性です。

20dbのATTが入っていますのでゲインは37dbです。

 

IMが一部30dbを下回っていますが今のところこれが限界です。

 

コア関係をもう少しつつけばと思いますが、先に進まないので

POAMPはこの辺で一旦くぎりをつけて送信部全体を組み上げてみることにします。

 

2011.01.24

結局この半年POAMPをつついてきたことになります。

全BANDでIM3>+35dbを目標にしたばかりに大回り道をしたことになりますが、いろいろ貴重なノウハウが得られたのでOKです。

 

といっても、最終的には目標をクリアしていないのですがとりあえずは+32dbをクリアしたのでよしとしました。

 

RD15HVF1×2

 

POAMP基板

 

 

2SC2495×2

 

 

 

回路図

いろいろなデバイスを試してきましたが最終的には、

2SC2495PP−RD15HVF1PPの構成にしました。

2SC2495は12Vで働かせていますが問題無く働いてくれています。

RD15HVF1は、24Vで働かせています。34dbm×2出力時でId=0.8Aですから効率は約25%です。

効率は、かなり悪いのですがIM特性とのトレードオフになりますのでこんなものではと思います。

 

 

周波数特性です。

 

50MHzでは、かなり下がっていますが50MHzだけ補正AMP

を入れます。

3.5−28Mの間は、ほぼ平坦でGAINは40dbです。

 

 

3.5M IM3=-37db

7M IM3=-35db

 

14M IM3=-33db

18M IM3=-34db

 

21M IM3=−33.5db

24M IM3=−33db

 

28M IM3=−34db

50M(+補正AMP) IM3=-32db

 

2011.02.13

その後、悪あがきを続けてどうにか全BANDIM3<−35dbを達成しました。

構成は、 uPC3219GV(ALC)-RD06HHF1-RD16HHF1PPです。

ALCについては、本来なら終段からALC信号を取り出して制御するのが普通ですが今回は少し簡素化しました。

最初のMICAMPTA2011Sを使っているのでピーク電力はここで制限されています。

uPC3219GVでは、そのピーク電力が10WPEPになるように各BAND毎に固定ALC電圧を供給してやればいいことになります。

 

回路図

 

 

uPC3219GVを使ったALC部分です。

 

厳密にはALCではなくLC(レベルコントロール)回路です。

 

 

RD06HHF1

 

ここでは、そんなに電力を消費しないので

放熱は2mmのアルミ板で代用しています。

 

 

RD16HHF1×2のAMPは、Id=700mA 10WPEP出力時950mAとかなり改善出来ました。

(掲示板のほうでは、Id=250mA 10WPEP出力時750mAと書きましたがこれでは24MだけIM3が-32dbとなっていたのを見落としていました。)

 

3.5M IM3=-37db

7M IM3=-37db

 

14M IM3=-36db

18M IM3=-35db

 

21M IM3=−36db

24M IM3=−37db

 

28M IM3=−36db

50M IM3=-35db

 

後は、LPFを入れて送信機は完成です。

 

2011.05.26

その後、結構時間がかかりましたが不具合をひとつづづ解決してようやく最終形になりました。

 

構成

2SC4703 – X’fil(71.56M) – 2SC4703 – 2SK125x4(MIX) – BPF – uPC3219(Gain_cot) –

 

2SC4703(50Mのみ) – 2SC4703 – RD06HHF1

 

 

 

 

RD16HHF1X2 – LPF

 

回路図

 

 

 

 

POAMP+LPF部分を背面に取り付けたところです。

 

 

各BANDの、IM3とスプリアスの様子です。

測定には、20dbのカップラ+20dbATTを使用しています。

出力は34dbm×2です。

全BANDとも、法令に定める基準はクリア出来ています。

 

 

IM3

スプリアス

3.5

7M

14M

18

21

24

28

50

 

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